刑事コロンボは、1968年アメリカで初めてTV放映され、以後、世界的にポピュラーな刑事ドラマとなった。
『 PETER FALK as COLUMBO 』というクレジット・タイトル通り、ピーター・フォークと問えば、コロンボと答えるほど認知度が高い。
その刑事コロンボと、犯人との息詰まる頭脳・心理戦を描いたドラマ作品。
新・旧あわせて、50本以上も作られている。
その記念すべき第1作が、 『殺人処方箋』 である。
初めて刑事コロンボを見た時は、衝撃的でした。
というのも、冒頭で
“犯人が視聴者にわかってしまう” からだ。
今でこそ田村正和・主演 『警部補 古畑任三郎』 で知られているが、その倒叙形式というテクニックを生かすには、論理的で、緻密な構成が必要となるが、シリーズを通して作品の出来はすばらしい。
本作品は、第1作ということもあり、コロンボのキャラが完全に定着していない。
身なりが小奇麗だったり、トレードマークのレインコートもしわくちゃでなかったりと。
しかし、
『うちのカミさんがぁ。。。』
『ペン貸してもらえますぅ?』
『あと、もうひとつだけ。。。』
というお馴染みのセリフは既にあります。
シリーズを通して、未完成のコロンボが見れるのは、本作品だけ。
しばらく忘れていたこの作品を思い出すきっかけは、ドストエフスキー作、 『罪と罰』 でした。内容は全く違うのですが、倒叙形式をとり、構成が非常に似てる。
あらすじは。。。
高利貸しの老女を惨殺した犯人、ラスコーリニコフ。
しかし罪の意識に苛まれる。
その彼に、判事ポルフィーリィの緻密かつ執拗な追求が迫る。
ラスコーリニコフの精神面、悪と善の二面性を、本作の登場人物、フレミングとジョーンに振り分ければそっくり。
というのも 『殺人処方箋』 は、著者自身が、コロンボのキャラ含め、『罪と罰』をモチーフとして作り上げたからだそうです。
他人の心を分析するプロ、精神科医のフレミングは、鋭敏な頭脳を持ち、完全犯罪は自分でなければ不可能と自負します。
そんなフレミングに、つけいるスキが無いとみたのか、計算だったのか、コロンボは、共犯者のジョーンに対して、
『あなたを落として、フレミングさんを逮捕します。』 と断言します。
以降の作品には見られない、結構怖いコロンボが見れちゃいます。
フレミングの患者でもあった彼女は、精神的に脆い。
その弱点を突いて、コロンボは揺さぶりをかけます。
その圧力に屈し、彼女は自殺を計ります。
しかし、それこそがフレミングを逮捕するためにコロンボが張った罠でした。
逮捕される犯人は、皆、往生際がイイ。
それは、コロンボが犯人を落とす決定的な手段として、
“まさか自分がその罠にかかるわけがない。” と犯人の職業や性格を逆手に取った巧妙な罠を張るからだ。
また、刑事コロンボでの犯人は、社会的地位の高い人物が多く、自信家でもある。
練りに練った計画だが、その上をいくコロンボに見破られたのなら仕方があるまいという気持ちになるのかも。。。
しつこい尋問から開放されたぁ〜 って気持ちも多少はありそうだが。。。(´ー`)┌
本作品でも同様に、フレミングの職業にちなんだトリックを仕掛ける。
犯人自身が使ったトリックに、ずっぽりとハマっちまうのは笑える。
ちょっとした注目は。。。視聴者側に、犯人がいかに有能かを知らしめるシーンが、本編中幾度となくでてきます。
ところが抜け目のない犯人は、完璧に殺しを実行します。
しかし、それは逆にコロンボこそが、優れた刑事であるという事を証明するための伏線だったりする。
また、オープニングのタイトルロールが、犯人の職業を意識してか、ロールシャッハテストの図柄が使われている。
細部にまで凝ったつくりは、なかなかおもしろいですよ。
( ゚_ゝ゚) { ゲストスター(犯人)が大物ってとこがイイ。