 | セブン ケビン・スペイシー、グウィネス・パルトロウ 他 (2007/11/02) ギャガ・コミュニケーションズ この商品の詳細を見る
::: サスペンス・ミステリー ::: ★★★★☆ |
この作品好きです。
当然のことながらDVD持ってそうですが、買ってません。
映画としては好きなのですが、どうしても凄惨な猟奇殺人の生々しい映像がババンとあるので、どうにも気持ち悪くてたまりません。(笑)
梅図かずおのマンガを買えないどころか、気味悪くて表紙も触れないという感覚に似ている。
ハリウッドの映画は、エンターテインメントが基本で、楽しめればそれで良いというインスタントな作品ばかり溢れているが、本作は、いろいろと頭を使わされる。
ミステリー映画である以上、そこは当然といえば当然なのですが、粗暴で野蛮な猟奇殺人事件でありながら、インテリジェンスな香りが漂ってしまうあたりがすごい。
キリスト教における、7つの大罪をモチーフにした連続猟奇殺人事件を、ベテランの老刑事・サマセット(モーガン・フリーマン)と、新米刑事・ミルズ(ブラッド・ピット)が追うが、悲劇的な結末が待っているというホラーな展開。
印象的だったのが、サマセットの口から、名文学の一節が度々聞かれること。
この映画の影響で、文学に目覚めた人もいるかも。。。(笑)
似たような作品で、 『羊たちの沈黙』 がありますが、わたくしは断然 『セブン』 の方が好みですね。
全てに於いて、観る側にわかりやすく作られているし、キリスト教に詳しくなくても問題なく観れる点も良い。
また、特徴的なのが、晴れやかな空が全く拝めず、陰鬱とした雨、雨、雨模様ばかりの映像。
そして、7日、7時、7つの大罪と、 “7” に対する病的なまでの拘り。(笑)
ここまでやられると、とてもじゃないが、7という数字がラッキー・ナンバーとは思えなくなってくる。(´ー`)┌
映像に関して言うと、タイトルバックが洗練されている。
とにかく映像描写に対するこだわりが素晴らしい。
あのチマチマと書かれた犯人の日記、コレクション(?)のスクラップブックなどの小道具もすごいが、何より編集が良い。
ミステリー好きのわたくしの見所はというと、フーダニットやハウダニットを目的とした映画ではなく、犯人の殺害動機や、犯人の陰を追っていく捜査過程が面白いと思います。
通常、ミステリーでは、犯人探しや、殺害トリックを暴くことが花形なのだと思いますし、個人的にもその方が楽しめるのですが、苦手としていた作風でも楽しめたという点だけでも、個人的にはかなり評価が高い。
※ これ以降ネタバレしてます。7つの大罪とは、
『強欲』 、 『大食』 、 『怠惰』 、 『憤怒』 、 『高慢』 、 『肉欲』 、 『妬み』
を言うのだそうです。
それにしても、あんな惨たらしい殺し方をされるほどの大罪とは思えないのですが。。。
そこは、キリスト教圏の人たちに、呪いだ、祟りだなんて言っても、ポカンとしちゃうのと同じで、日本人には、ピンとこないものなんでしょうね。(´ー`)┌
この大罪に “殺人” がないのをいいことに(?)、犯人は殺しまくるわけです。
“妬み” に罪の意識は持てても、殺人は大罪じゃないからOKって考えるところが、恐ろしいですよね。。。(´ー`)┌
そして、 “憤怒” 担当(?) のミルズを罠にかけることにも成功。
短気な性格が災いしたんでしょうね、ミルズは。
短気は損気ってよく言いますよね。
関係ないですが、最近は、キレやすい大人が流行っているらしいですよ。
キレて得することなんて、何もないのだから、気を大きく持って、呑気でいきたいですね。(´ー`)┌
それにしても、サマセットの知性溢れる役どころは良かったですね。
映画としても、ミルトンの『失楽園』に始まり、 『カンタベリー物語』 、 『神曲』 、 『ベニスの商人』 と、文学に溢れており、最後は、ヘミングウェイの言葉で締め括るなんて、本読みには嬉しい限りの演出です。
わたくしはよく、図書館に行きますが、アメリカ(外国)の図書館がほんと羨ましいのですよ。
日本のいかにもビルの中にありますみたいな建物じゃなくて、重厚で静謐で、歴史を感じさせる建物だし、間違ってもガキが喚き散らすような場所ではない。
図書館の貸し出しカードを元に、個人の読書傾向をFBIが調査していることを利用し、サマセットが不法捜査を行い、犯人を追い詰めるシーンは、初めて本作を観た時には衝撃でした。
殺人の捜査という観点からも、街中に監視カメラを取り付けるのと同じくらい、効果的だなぁと感心したのと、きっと、日本でも読書記録を暗黙のうちに調べられているんだろうなぁと、変な本(どんな本だか)は借りれないと思いましたね。(´ー`)┌
本作は、猟奇殺人の陰惨さや、刑事が私怨から殺人を犯したりと、始めから終わりまで暗いのですよ。
バッド・エンドで、後味が悪く、全くもって救いがない。
そんな中でも、ところどころに、ブラック・ジョークや、ホモネタを持ち出したり、地下鉄うんぬんのくだりとか、アホづらさらしてソファーで寝ているミルズとサマセットなどが、笑いを誘う。
その辺のバランス感覚が丁度良かったですね。
( ゚_ゝ゚) { 『地獄より光に至る道は長く険しい』 直情型ミルズには、無理だったようです。