デニス・ルヘイン原作のミステリー小説をクリント・イーストウッドが映画化。
一言でいうと、
“不条理” をテーマにしたような内容です。
見所はなんと言っても、3人の役者の演技でしょう。
特に、ショーン・ペンとティム・ロビンスの迫真の演技は素晴らしいです。
ショーン・ペンはプチ・マフィアのドンみたいな役どころなんですが、彼の娘が何者かによって殺害され、嘆き悲しみます。
そのときの演技はおもわず画面に釘付けになってしまいます。
また、ストーリーが進んでいくにつれ、精神的に不安定になるデイブの演技は怖いくらいです。
ショーン・ペンは主演男優賞を、ティム・ロビンスは助演男優賞を獲得してます。
役者の演技は良かったですが、内容は気になるところがあります。
ミステリーとして、グイグイと映画に引きずり込んできたのですが、肝心の犯人はといえば、以外な人物で、その動機がお粗末なものでした。
しかしそのお粗末さは、ジミー、ショーン、デイブの幼少期の思いつきでおこなったイタズラがきっかけで、デイブの誘拐事件に発展した時とよく似ており、皮肉にも今度は25年後、自分(ジミー)の娘が被害者となった。
些細なきっかけが、大きな事態を招いたという、3人の幼少時代の事件はある意味伏線だったと思うのですが、ちょっとした選択が運命を分けるんだよと。。。
そこに気づかないと、ミステリー色が濃いので、プロットが甘いんじゃないかと思われそうなスレスレの筋書きです。
また、後味の悪いエンディングとなったことでしょうか。
まさに、不条理です。
アメリカ的と言ってもいいかもしれません。
正義の名のもとに戦争すれば、人殺しも正当化される。
強く、権力のある人間は、罪を犯しても他の人間を踏み台にして免れることもある。
また、どんなに努力しても報われず、不幸に死んでいく人間もいる。
そんな人生のどこにでもある不条理さは、映画(フィクション)とはいえ現実的でもあります。
子供には見せたくない映画です。
※ これ以降ネタバレしてます。哀れ、デイブ。 そんな映画です。
デイブがケガをした理由は、酒場から自宅に帰る途中で、車で暴行を受けている少年を見た。
幼少時代のつらい経験が、デイブを暴力的にさせた。
男性をめちゃくちゃに殴り、殺してしまう。
しかし、その出来事と幼少時代の過去を家族に言えないため、嘘をつくことになる。
その嘘が、彼を死に追い立てたのだ。
夫を信じることが出来ず、親類でもあるジミーに犯人は自分の夫だと告げてしまう。
家族の為に、過去の犯罪から足を洗い、二度と罪を犯さないと誓いを立てていたジミーだが、デイブを銃で撃ち殺してしまう。
ジミーの妻は、家族を守ったジミーは悪くないと正当性を主張する。
犯罪者を野放しにするのかよ。
プロットが面白かっただけに、ラストは許せませんでした。
人を殺して、逮捕しないでいるショーンも。
ジミーの正当性を無理やり認めさせようとする妻も。
警察の捜査を待たずに見切り発車したジミーも。
アメリカの正義を通すために、人殺しもいとわないという思想も。
全てが不条理です。
しかし、人生では人殺しとはいかないまでも、不条理な状況は腐るほどある。
そういう点では現実的なのですが、すっきりしないエンディングは後を引きます。
( ゚_ゝ゚) { 『もうひとつの「スタンド・バイ・ミー」を見るために、あなたは大人になった。』 悲劇は、不幸な偶然の連続ですよ。。。